山口大学 情報・データ科学教育センター

情報・データ科学教育センターの概要

センター長挨拶

今、私たちを取り巻く社会が大きく変化しようとしています。世界の株価時価総額ランキングを見てみましょう。10年前の2011年では、上位5社のうち3社が石油企業で、IT企業は1社だけでした。しかし、それから僅か10年で形勢が逆転します。今や上位5社のうち4社はIT企業で、石油企業は1社になっています。そして、この躍進を支えているのは各社が保有する膨大な量のデータです。

データは「21世紀の石油」と言われています。石油は原油を起点として、様々なモノに形を変えて、付加価値を高めています。これと同じように、データもうまく精製して、有用な情報を生み出し、新たな価値の創造につなげて初めて役に立ちます。このデータを取り扱うスキルが「データサイエンス」です。データサイエンスは一部のエリートだけのものではなく、すべからく全ての人が身に付けるべきものです。特に、これから社会に出ていく学生が、世界の荒波で勝ち残るために必須のスキルといえるでしょう。

データサイエンスではAI技術を活用します。せっかく勉強しても、AIに取って代わられるのではないかと心配する人もいるかもしれません。たしかに一部のタスク、たとえば識別や予測などは、将来AIに取って代わられるものもあるでしょう。しかし、どんなデータをどのように使って、社会にどのような価値を生み出すかをデザインし、実行していくことは、人間にしかできない仕事です。ぜひAIを使いこなす力を身に付けて下さい。

山口大学情報・データ科学教育センターは、「データサイエンス教育の管理、運営体制の整備及び組織的導入を確立する」とともに、「数理的思考を備え、データ分析・活用できる人材を育成し」、もって「社会の課題解決・発展に資する」ことを目的として、2017年4月に設立された大学教育機構大学教育センター・データサイエンス教育推進室を発展させる形で、2020年4月に設立されました。

山口大学は2018年度から、全国の大学に先駆けて、1年次の全学生を対象に、必須の共通教育科目として「データ科学と社会Ⅰ」と「データ科学と社会Ⅱ」を開講しています。 また2019年度に独自に開発したデータサイエンス教育レベルを公開しました。そして2021年度から、各学部が定めたデータサイエンス教育レベルに応じて、2年次以降の専門課程において発展・応用科目を開講しています。

データサイエンスは「実学」でなければなりません。実社会にあるデータや、その背景にある課題に正面から向き合うことによって真の力が養われます。当センターは地域の企業や教育機関、自治体等と連携した教育と研究のためのオープンイノベーションのプラットフォームを目指してまいります。

皆様のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 
情報・データ科学教育センター長 山口 真悟

山口大学のデータサイエンス教育

ICTを活用したサービスが次々と生まれ、人々の生活に豊かさをもたらす「超スマート社会」が現実のものになってきています。この社会の下支えとなる新しい価値を創造しているのが、広範囲かつ目的に整合したデータの取得と、そのデータを解析し課題の発見や問題解決を行うという科学的な方法論、すなわちデータサイエンスです。

山口大学は早くから情報教育に力を入れており、超スマート社会に対応できる人材を育てるため、2017年度に「データサイエンス 教育推進室」を設置し、さらにこれを2020年度に発展的に解消して、「情報・データ科学教育センター」を設置しました。

沿革

  • 2017年度  大学教育機構大学教育センター「データサイエンス教育推進室」設置
  • 2018年度  共通教育必修科目「データ科学と社会 I 」「データ科学と社会 II 」開講
  • 2020年度  「情報・データ科学教育センター」設置
センター組織図